黒ずみといえば、顔にニキビや日焼けのあとのシミのほか、鼻の頭に黒いぶつぶつができることがあります。
ここでは、黒いぶつぶつした毛穴の黒ずみについて解説します。
毛穴の黒ずみができるメカニズムとは?
毛穴の出口が狭くなり、毛穴に皮脂や角質(タンパク質)が詰まることで角栓(かくせん)ができ、それが黒くなっている状態が毛穴の黒ずみです。角栓ができてしまうと皮脂が排出されずに毛穴の内部にたまってしまいます。それが原因となり毛穴がポツンと盛り上がっている状態を「面皰(めんぽう)=コメド」といい、皮脂を栄養源としてアクネ菌が増殖するとニキビが進行していきます。
毛穴の黒ずみができる主な原因
角栓による毛穴の黒ずみは、ニキビの初期段階でも起こることがあります。
まず、ニキビの第一段階として「面皰(めんぽう)=コメド」ができます。
はじめのうちはやや白っぽい白ニキビがポツンとでき、毛穴が閉じた状態になる「閉鎖面皰(へいさめんぽう)」となります。
そしてもう少し後になると、毛穴の中で溜まっていた皮脂が毛穴を押し広げることによって毛穴が開きます。そうして黒色を帯びてきます。これを「開放面皰(かいほうめんぽう)」と呼びます。
黒色になるのは、皮膚の内側から排出されたメラニンであるとされています。
面皰の原因である皮脂の分泌量の増加や毛穴部分の角化が進むことの主な原因は、男性ホルモンの分泌がさかんになることで皮脂腺の機能が活発化することです。女性は、男性ホルモンを抑制する卵胞ホルモンの分泌が、ダイエットや不規則な生活、ストレスなどで減ると、体内の男性ホルモンが相対的に多くなることで起きやすくなります。
女性ホルモンの黄体ホルモンも皮脂の分泌を高める作用があります。特に排卵後から月経までの期間は分泌が高まります。その他、ストレス、過度の緊張・疲労・不眠などにより、自律神経が変調をきたすことでも結果的にホルモン分泌により皮脂分泌が高まります。
他にも長時間のメイクなどで毛穴を直接的にふさぐことや、間違った洗顔などで皮膚表面を脂性に傾きやすくすることも原因として挙げられます。
また、皮脂分泌量の増加だけでなく、皮膚のターンオーバーに原因があることが分かってきています。毛穴周囲の角質がうまくはがれ落ちないで角質層が厚くなり、毛穴をふさぎます。
毛穴の黒ずみができやすい人・できにくい人の違いとは
角質が厚く、皮膚が硬い人というのは肌のターンオーバーの乱れが起こっている可能性が高く、角栓ができやすくなります。皮膚にザラつきやゴワゴワした感じがある場合や、顔の寝跡がなかなか直らないという人はこのタイプ。
また、皮脂分泌が多い人は角栓の元となる皮脂が毛穴に溜まりやすいので、角栓が繰り返しできやすい状態になっています。皮脂分泌が多いかどうかの判断は、いつも通りに洗顔を行い、タオルで水分を拭き取ったあと、化粧水などをつけずに5〜10分ほど放置して、肌の状態をチェックします。顔全体にべたつき感がある、または顔全体がうっすらテカっている場合は皮脂分泌が多い肌と言えます」
Check
- 皮膚にザラつきやゴワゴワ感がある
- 寝跡がなかなか直らない
- 洗顔後、水分を拭き取って5〜10分ほど放置するとベタつく
□ 毛穴が特に気になるのは鼻周辺
□ 毛穴が詰まっている
□ 毛穴を触るとザラザラしている
□ 毛穴に白いor黒いプツプツが見える
□ 洗顔料は夜のみ、または全く使っていないチェックが多かったあなたは、「角栓毛穴」かも?
角栓毛穴は、過剰に分泌された皮脂がはがれた角質と混ざり、できた角栓によって毛穴がふさがれている状態です。最初は白っぽい色をした角栓が、時間が経つと酸化して黒ずみ、大きく成長するとザラザラとした手触りをもたらします。
とくに男性は皮脂が多いうえ、朝晩の洗顔をおろそかにする人が多く、角栓毛穴に悩まされがち。にも関わらず無頓着に放置して、角栓が毛穴を押し広げるほど深刻な状態を招いている人が少なくありません。
大きく育った角栓を一気に取り除くと、あとの毛穴はぽっかり大きく開いたままに。そうなる前に早めに手を打つことが大切です。
□ 毛穴が特に気になるのは頬
□ 毛穴がぽっかり開いて見える
□ 皮脂が多くて肌がベタつきやすい
□ 肌を触ると硬くゴワゴワしている
□ 保湿ケアを何もしていないチェックが多かったあなたは、「開き毛穴」かも?
開き毛穴は、過剰な皮脂分泌を主な原因に毛穴が開いている状態です。脂性肌に多く見られますが、皮脂の分泌は肌の乾燥でも拍車がかかるため、脂性肌に限った問題ではありません。もし洗顔後は何もつけない、つけても化粧水のみというスキンケアをしているなら、むしろ乾燥が関わっているとみた方がいいでしょう。
とりわけ男性は女性より皮膚にしっかり厚みがあるという構造上、毛穴が開いた状態が目立ちやすいため、放置せずきちんと対処したいところ。
開き毛穴は、加齢によって真皮の弾力が失われてくると涙型のたるみ毛穴へと移行し、ますます目立つ可能性があります。
□ 毛穴が特に気になるのは小鼻〜頬
□ 毛穴が黒ずんで見える
□ 毛穴の凹凸はあまり目立たない
□ 触るとチクチクする毛穴がある
□ ヒゲが濃いチェックが多かったあなたは、「産毛毛穴」かも?
産毛が生えているために黒っぽく見える毛穴で、ヒゲが濃い人に多く、頬や小鼻のキワなどヒゲが生える部位の周辺に見られるのが特徴です。
角栓毛穴が黒ずんだものと比較すると、産毛毛穴にはザラザラとした凹凸がなく、黒く点々と見える傾向があります。中には産毛の先端が毛穴から出ていてチクチクした感触を伴うものもありますが、多くは自分で見分けるのが難しく、正しく知るには医師の診断を仰ぐのがベスト。
ただ、原因が産毛にあるため、ほかの毛穴のように通常のスキンケアで改善は見込めません。根本解決には産毛そのものを取り除く必要があります。
おすすめの対策
これらの黒ずみ毛穴の対策には「クレンジング」と「洗顔」を毎日丁寧に行うことが重要です。
クレンジングの前に蒸しタオルなどで肌を温めると、毛穴が開いて角栓を取り除きやすくなるため、とても効果的です。
クレンジングといえば“メイクをする女性のもの”と考えがちですが、男性の毛穴対策にも有効です。
毛穴の黒ずみが気になる部分にクレンジングをなじませる際は、くるくると円を描くように。
この時、力を入れすぎないように優しくなじませましょう。
その後、ぬるつきがなくなるまで、きちんとすすぎましょう。
その後の洗顔はたっぷり泡をたてて、ゴシゴシこすったりせず、毛穴に泡をキュキュッと押し込むように優しく洗顔しましょう。
クレンジング・洗顔の後は、しっかりと保湿ケアをするのも重要です。
新感覚温感クレンジングがおすすめ
温感クレンジングとは、肌に馴染ませるとだんだんと熱を持ち、じんわりと温かくなる特徴を持つクレンジング剤のこと。うるおい成分である「グリセリン」が主成分となっています。このグリセリンは、水と混ざると温感効果が得られるのが特徴です。
温感効果で毛穴が開いてくれるので、クレンジングはもちろん毛穴ケアにも有効と言われています。くるくるとやさしくマッサージをすることで肌の強張りをほぐし柔らかな肌へと導き、化粧水の浸透を高めてくれる効果も期待できます。美容液のようにスキンケア成分が配合されているものも多いため、しっとりとした洗い上がりや透明感のある肌へと導いてくれるところも魅力です。